四国三十六不動霊場のあゆみ

○霊場の誕生

平成元年(1989年)、弘法大師(空海)の生誕地である四国において、霊験あらたかな不動明王が祀られている三十六の寺院が結集し、お大師様と深いご縁で結ばれた不動明王との御縁を深めるため「四国三十六不動霊場」が誕生しました。

各霊場には、不動明王の眷属である三十六童子が一体ずつ祀られています。

○新たなる修行の道場へ

平成29年(2017年)、当霊場に「六波羅蜜修行道場」という新たな修行の道場としての意味合いが加わりました

六波羅蜜とは、大乗仏教の菩薩(悟りを求める修行者)が実践すべき六つの修行項目のことで、悟りの境地である彼岸へ至るために行う六つの徳目を意味します。

1. 布施 (ふせ) 惜しみなく施すこと
2. 持戒 (じかい) 戒律や規範を守ること
3. 忍辱 (にんにく)苦しみに耐え忍ぶこと
4. 精進 (しょうじん)弛まず努力すること
5. 禅定 (ぜんじょう)心を安定させ、集中すること
6. 智慧 (ちえ)真理を見抜く正しい判断力

これらの徳目を六ヶ寺ずつ36の寺院に配当することによって、36ヶ寺の巡拝をすれば六波羅蜜の修行が成就するという修行道場としての位置づけが新たに加わりました。

 1~ 6番.  布施の道場
 7~12番.  持戒 の道場
13~18番.  忍辱の道場
19~24番.  精進の道場
25~30番.  禅定の道場
31~36番.  智慧の道場

それに伴い霊場で作成された「六波羅蜜修行次第(経本)」には、六波羅蜜修行和讃など、修行の実践の方法が分かりやすく記されています。

 

今後も四国三十六不動霊場は、現当二世(今世と来世)にわたり、不動信仰を持つ皆様にご加護がありますよう、また、不動信仰、大師信仰の益々の興隆のために活動を続けてまいりたいと思います。